電車がやってきた!
高層建築が立ち並び、高速道路が縦横無尽に張り巡らされた超近代都市ロスアンゼルス・・・のイメージからかけ離れた話をひとつ。 しかもそのロスアンゼルスから距離で15キロ、車で20分しか離れていないわが町、南パサディナ市での話しである。
わが町に電車がやってきた! 電車といっても路面電車みたいなもの。 別章で述べた絶滅の危機にある歴史的保存の町ではこの電車敷設に戦った、戦った。 市議会を真っ二つに分裂させ(・・・といても市長と議員総計6人だが)最後の最後まで戦った。 しかしながら周辺の町のひんしゅくを買い、結局時間切れで電車が我らが町にやってきてしまった。
開通の日、町の人は 結 構 うれしいのか、列を成して試乗に行った。(我が家の子供たちも!) ダウンタウンまで25分、オールドパサディナまで10分、皆、喜んでいる。
私の友人S氏は還暦も過ぎたしゃきしゃきの南パサディナ人で、昔は一流銀行の役員で、現在は地元学校区の資金集めの運動をしたり、いわゆる「ご意見番」といった人。 ときどき私と一緒に色々な会合にも出席するので仲良くしていただいている。
S氏から一週間後の次のダウンタウンの会合へは電車で行こう!とのお誘いがあった。 私はすでに電車には何回か乗っていたので気楽にお受けしたのだが、その後何度も駅での待ち合わせの確認をするEメールをもらい、当日も1時間も前に駅から歩いて7,8分の私の事務所へ「準備はできたか?」とお越しいただいた。
もちろんプラットフォームでは記念写真を撮り、予定時間の30分以上前にダウンタウンの現地に着いてしまった。
会が終わって、駅員に愛嬌をふりまきながら再度電車に乗って夜9時過ぎ帰ってきたのだが、電車のドアーが開いた瞬間にプーンとスカンクの匂いが漂ってきた。 もちろんわが町ではちっとも珍しくない事なのだが、人も自然も大都会のどまん中にありながら、その異常なる「健全さ」に安らぎを覚えるのは私だけではないと思う。