ワッペンと地球環境保護

私はLEED(Leeders in Energy and Environmental Design)と呼ばれる建築のグリーン度(地球環境へのやさしさ・・・とでも言おうか)を認定する技術者の資格を取得した。 これは米国グリーンビルディング協会(http://www.usgbc.org)が管理している建物の評価システムである。

米国と地球環境・・・と言えば、「なにを言ってんだよ。 京都議定書も批准しない環境保護後進国のくせに!」と笑われるだろう。 たしかに、私が日本のゼネコンにいた時の社内基準だけを見ても、まったくアメリカ建設業の環境保護に対しての意識は低いことが良くわかる。

ところが、上記米国グリーンビルディング協会がLEEDの認定を始めて、その様相が変わってきた。 しかも、その手法が実にアメリカ的で面白い。  

アメリカで暮らし、子供を学校に行かせたことがある人は、子供がしょっちゅうワッペンをもらってきたのを覚えておられるだろう。宿題が良くできた、学校で良く発言した、スポーツで頑張った・・・と、なんか在る度にワッペン(シールとかスティッカーと呼ぶ)をもらってくる。 安易なものでは手の甲にスタンプを押されることもある!  

なんと、これが幼稚園、小学校、中学校、高校・・・とずっと続く。 高校、大学のフットボールの選手がヘルメットにペタペタとワッペンを貼っているのに気づい人もいるかもしれないが、守備によってパスが成功した数、タックルを決めた数、タッチダウンの数とそれぞれプレーヤーの目標と実績の管理がワッペンでされている。

私がサッカーのワールドカップのボランティアをしたときにも、働き具合によって首から提げた身分証明証の上にワッペンが貼られて、そのワッペンの格によって、スタジアムに入ってゲーム鑑賞の特権が与えられた。  

LEEDにおける、このワッペンがプラチナ認定、ゴールド認定、シルバー認定、一般認定だ。 (「銅」の認定が無いのは銅は鋳造にエネルギーを使いすぎるからだとか・・・)

建築設備設計、冷暖房空気調和設計、電気設計の省エネ設計はもちろんのこと、土地選びから構造手法、建築材料選定、材料の流通距離、ユーティリテイー方式、交通手段、コミッショニングの方法等ありとあらゆる分野での評価を点数化して、集計して建築完成後までチェックされ、合格したものには上記認証の盾が建物の玄関に埋め込まれる。  

公共工事ではすでに建設資金のボンド枠からの割り当ての優先権が与えられたりもしており、民間では米国のトヨタ自動車がロスアンゼルスで建設した本社ビルにゴールド認証が与えられたりもして、着々と広がりつつある。 また、建設資材の分野ではこの認証でより高い評価を受けられる資材(リサイクル製品、成長の早い自然部材等)を使用した材料が活発に動き出している。

建築確認申請でも所轄官庁のチェックポイントがこのLEED基準に沿ってチェックされるようにもなってきている。  

ワッペンを求めて頑張る気迫は建設不動産業界も小学生と同じである!